【弁護士が解説】EC事業者のための法律講座(基本編) 食品表示法(第2回)~保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)~

執筆者:弁護士 原 隆(はら たかし)

原総合法律事務所 代表弁護士

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1 保健機能食品とは?

保健機能食品とは一般食品(健康食品を含む)と医薬品(医薬部外品を含む)の中間的位置にあり、科学的根拠に基づき一定の条件のもとに機能性を表示することができるもので、特定保健用食品、栄養機能食品及び機能性表示食品の三種類が存在します。

保健機能食品以外の食品は「保健機能食品」と紛らわしい名称や、栄養成分の機能および特定の保健の目的が期待できる旨を示す用語の表示は禁止されています。

(参考:「表示を確認して保健機能食品を適切に利用しましょう」消費者庁

分類

可能な機能性表示

機能性表示のための届出・許可

医薬品

医薬部外品

 

個別承認

保健機能食品

特定保健食品

健康の維持、増進に役立つ、又は適する旨を表示(疾病リスクの低減に資する旨を含む。)

例:「糖の吸収を穏やかにします」

国の個別許可

栄養機能食品

基準で定められた栄養成分の表示

例:「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。」

自己認証(届出不要)

機能性表示食品

健康の維持、増進に役立つ、又は適する旨を表示(疾病リスクの低減に資する旨を除く。)

例:「Aが含まれ、Bの機能があることが報告されています」

事前届出が必要

一般食品

(健康食品を含む)

機能性表示不可

 

 

2 特定保健用食品(通称「トクホ」)

 特定保健用食品は、科学的に立証された特定の保健機能、生理機能をもつこと、安全であること等について国の審査を個別に受け、内閣総理大臣が許可した食品です。

健康表示が可能な食品ですが、特定保健用食品として食品を販売するには、その表示について消費者庁長官の許可を受けなければなりません(健康増進法第43条第1項)。表示の許可に当たっては、食品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受ける必要があります。(参考:「特定保健用食品について」消費者庁)

3 栄養機能食品

 栄養機能食品とは、特定の栄養成分の補給のために利用される食品で、栄養成分の機能を表示するものをいいます。対象食品は消費者に販売される容器包装に入れられた一般用加工食品及び一般用生鮮食品です。栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が、定められた上・下限値の範囲内にある必要があるほか、基準で定められた当該栄養成分の機能だけでなく注意喚起表示等も表示する必要があります(食品表示基準第7条及び第21条)。

国による個別の審査を受ける必要はなく、既に科学的根拠が確認された栄養成分を一定の基準量含んでいれば、栄養成分の機能を表示することができます

(参考:「知っていますか?栄養機能食品」消費者庁、食品表示基準における栄養機能食品とは)消費者庁)

 

4 機能性表示食品

 機能性表示食品制度とは、国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができる制度です。特定保健用食品(トクホ)と異なり、国が審査を行いませんので、事業者は自らの責任において、科学的根拠を基に適正な表示を行う必要があります。ただし、病気の治療や予防に関する表示は許されません。

(参考:「『機能性表示食品制度』が始まります!」消費者庁「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」消費者庁「機能性表示食品 届出資料作成の手引書」公益財団法人日のン健康・栄養食品協会

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※本記事は、下記の最終更新日時点の法令及び最新情報に基づくものです。

初回掲載日 令和4年9月6日

最終更新日 令和4年9月23日

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