利用規約・プライバシーポリシー等

ECビジネスを始めるに際して、「利⽤規約」、「プライバシーポリシー」、及び「特定商取引上の表記」の三点の作成とWEBサイト上での表示は必須です。

一方、これらを、⾃社のビジネスの実態を踏まえて適切に整備すれば、顧客とのトラブルが発⽣したり拡⼤したりすることを未然に防ぐための、いわばセキュリティ装置として機能します。ECビジネスに精通した弁護⼠が、これらの整備のお⼿伝いを致します。

利用規約

利用規約とは?

ECビジネスにおいては、インターネットを介して日本中又は世界中の多数の人に通販サービスを利用してもらい商品を購入してもらうことが想定されます。そのため、様々な価値観や背景を持った膨大な数の「顔の見えない」顧客と取引をすることとなりますので、予め取引における顧客との約束事を決めておく必要があります。そこで、取引に関するルールを事業者があらかじめ作成して、そのルールに同意した人のみに取引してもらう方法が効率的です。このルールが利用規約です。

 

EC・通販事業者における利用規約の重要性

ECサイトの利用規約に記載するルールの内容は、EC事業者側が決めることができます。そして、利用規約に定められた内容は、顧客に予め同意してもらうことにより事業者と顧客の間の契約となります。そのため、万が一、事業者と顧客の間に将来トラブルが発生して裁判になった場合でも効力を有します。

仮に、顧客から何らかのクレームを申し立てられても、貴社として利用規約の規定を根拠に「このようなときは、弊社は免責されると規定されています」等と主張することにより解決する場合が多くあります。また、顧客の禁止行為などを決めて定めておけば、貴社にとって望ましくない顧客の行為を抑制することが可能となります。不良品や返品に対する対応についても規定しておくことによりスムーズな話し合いができますし、話し合いが難航して裁判に進んだ場合でも貴社に有利に働きます。

 

利用規約作成の落とし穴

上記の通り非常に便利な利用規約ですが、気を付けなければならない点があります。

強行法規違反

消費者契約法などの強行規定に反する条項は無効です。たとえば、「当社は顧客に発生した損害について一切責任を負いません。」という規定を定めたとしても実際に裁判になったときに無効と判断されるでしょう。これを回避するためには、事業者の責任を全部免除する点と、事業者に故意や重大な過失がある場合に責任の一部を免除する点にこの規定の適用が及ばないように規定の書き方を調整する必要があります。このように、関連する法律を十分に理解した上で臨むことが利用規約を作成するための前提となります。

炎上リスク

利用規約は顧客以外の第三者にも閲覧が可能であるため、あまりにも顧客の立場を軽視して貴社側にとって都合の良い規定を入れると、法的には有効でも利用規約がネット上で炎上して、企業イメージを大きく損なわれるリスクが発生します。そのため、自社の利益とユーザーの利益についてのバランス感覚を客観的な視点から持つ必要があります。

 

原綜合法律事務所の弁護士によるサポート

原綜合法律事務所においては、利用規約の扱いに豊富な経験を有する弁護士が、貴社の事業やご懸念等について十分にお話を伺い、必要な法律を踏まえた上で貴社のECビジネスを踏まえた最適な利用規約の作成・整備をサポート致します。

プライバシーポリシー

(1)プライバシーポリシーとは?

プライバシーポリシーとは、企業が自社における個人情報の利用目的や取扱い方針を公表するためにまとめて記載したものをいいます。個人情報保護法により、事業者は個人情報の取扱いに関する一定の公表を義務付けられています。これを適切に遵守するためにプライバシーポリシーの作成と公表が広く行われています。

EC事業者にとってのプライバシーポリシーの重要性

EC・通販ビジネスでは、購入受付などの際に簡単に個人情報(氏名・住所など)を取得することができ、事業者側にはほぼ自動的に顧客情報が蓄積されていきます。こうした情報は、EC・通販ビジネスにおいては宝の山とも言えます。蓄積された顧客情報をどれだけ次に向けて有効活用することができるかはEC通販事業で成功するために重要なテーマの一つです。

一方、個人情報保護法は事業者に対して、一定の事項について本人から同意を得たり公表したりすることを義務付けています。必要な手続きを欠いて、自社のサーバーに記録されている顧客の個人情報を勝手に当初の目的外の販促活動に利用したり、第三者に提供したりして、これが明るみに出た場合には世間からの非難にさらされ企業の信用は失墜します。また、最悪の場合には刑事責任を負うような事態にも陥る危険すらあります。

これらのリスクを回避して適法に顧客の個人情報を活用するための有効なツールとしてプライバシーポリシーは有用です。個人情報保護法を踏まえた上でプライバシーポリシーを自社が計画する顧客情報の活用と整合するように適切にデザインして運用することができれば、貴社のECビジネスは多様な展開が可能となります。

プライバシーポリシーの落とし穴

上記の通り、重要な役割を担うプライバシーポリシーですが、以下の注意点があります。

他社のプライバシーポリシーの流用の罠

ときどき、別の会社のプライバシーポリシーをそのまま流用して用いているケースを見かけますが、決してお勧めできる方法ではありません。なぜなら、企業ごとに個人情報の利用目的や管理方法は異なりますので、安易に他社のプライバシーポリシーをそのまま流用してしまったりすると、あとで自社が思うような個人情報の利用ができなくなり、事業計画に重大な支障が生じてしまうおそれがあるからです。プライバシーポリシーは、あくまでも自社の事業における個人情報の活用と整合するように、自社に最適な内容を個別にデザインしていく必要があるのです。

法改正への対応

個人情報保護法は3年ごとに改正されています。たびたび改正される法律の内容を常に把握して、法律に適合するよう、万全の状態にアップデートしていく必要もあります。

原綜合法律事務所の弁護士によるサポート

原綜合法律事務所では、プライバシーポリシーの作成や整備に関するご相談や最新の個人情報保護法改正を踏まえたプライバシーポリシー改訂のご相談を承っています。

個人情報保護法の動向を理解した弁護士が、貴社における現在の個人情報の管理体制や今後の事業展開と個人情報の活用の可能性について十分にヒアリングさせて頂いた上で、貴社の実情や事業計画にマッチしたプライバシーポリシー整備をサポートさせて頂きます。

特定商取引法

特定商取引法とは?

特定商取引法(正式名称「特定商取引に関する法律」)とは、消費者トラブルが生じやすい取引類型を対象として、消費者保護の観点から、事業者が厳守すべきルールやクーリングオフ等の消費者を保護するルールを定めた法律です。特定商取引には7つの類型がありますが、EC・通販ビジネスは、この類型中「通信販売」に該当するため、運営者は、特定商取引法が定めるルールのうち、通信販売に関するものを厳守しなければなりません。

この中で最も重要な点は、消費者にとって重要とされる一定事項を必ず表示しなければならないという点です。具体的には、事業者名・所在地・連絡先・販売価格・送料などの付帯費用・代金の支払時期・代金の支払方法・商品等の引き渡し時期・返品の可否と条件などの項目について、それぞれ明確に記載する必要があります。

 

EC事業者にとっての特定商取引上の表記の重要性

まず、そもそもこの表記をせずにEC事業を行えば、業務改善の指示を受けたり、場合によっては業務停止命令を受けたりする可能性もありますので、作成しないという選択肢はありません。

ただ、実際にここで求められる表示事項は、例えば、返品の対応、引渡時期(商品の到着時期)などは、事業者と顧客の間で認識の齟齬があるとクレームの原因になるものばかりです。そのため、顧客にとって重要な関心ごとばかりですので、明確に規定することにより実際にクレームが発生した場合のスムーズな解決のために非常に役立ちます。

例えば、不良品として返品を認める場合の条件や顧客側において踏むべき手続きを細かく具体的に記載することにより、商品に満足しなかった顧客からの一方的なクレームに対応する基準が明確になります。また、引渡時期の項目において在庫の有無や支払い方法等により場合分けをして具体的に記載することにより、商品の到着を待ちわびた顧客への説明が容易になります。

このように、特商法上の表記(及び利用規約)の記載をしっかりと作りこむことにより、顧客からのクレームが深刻化することの大部分は防止できるのです。

 

特商法上の表記の落とし穴

インターネットを検索すると、特商法上の表記としてひな形が見つかることもあります。しかしながら、これらは、あらゆるショップで流用して最低限使えるよう汎用性を持たせるため、個別の事業者の方針を反映させるようなことはしておらず、大部分の項目が抽象的な表現になってしまっているのが実情です。そのため、上述したような顧客からのクレームへ対応する機能はほとんど期待できません。

 

原綜合法律事務所の弁護士によるサポート

 特商法上の表記は、同じく顧客との関係を定める利用規約と整合性をもたせて定める必要あります。貴社の事情をヒアリングさせて頂き把握した上で、利用規約と整合するよう、特商法上の表記におけるルール作りの整備をサポートさせて頂きます。

 

【弁護士費用(税込)】

利用規約・プライバシーポリシー・特商法上の表記の3点セットの作成

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